Japanese
English
展望
精神疾患の遺伝子研究
Molecular Genetical Study of Psychiatric Diseases
中村 雅之
1
,
佐野 輝
1
Masayuki NAKAMURA
1
,
Akira SANO
1
1鹿児島大学院医歯学総合研究科健康科学専攻社会・行動医学講座精神機能病学分野
1Department of Psychiatry, Field of Social and Behavioral Medicine Kagoshima University Graduate School of Medical and Dental Sciences
キーワード:
Multifactorial complex disease
,
Linkage study
,
Association study
,
Endophenotype
Keyword:
Multifactorial complex disease
,
Linkage study
,
Association study
,
Endophenotype
pp.348-358
発行日 2005年4月15日
Published Date 2005/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100041
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はじめに
近年,精神医学は,大きな変化の波にさらされている。従来の症候論的精神神経医学に対し,神経科学の急激な進歩によって物質論的病因論および診断・治療論を基盤に置いた疾病の再認識,再分類が進みつつある。また,社会的背景とともに疾病構造も大きく変化しつつある。もとより心の病に関しては,脳,身体,心理,家族,社会といったさまざまなレベルでの多面的な研究が必要であるが,現代の科学や技術の驚異的な発展によって,それらが脳の微細な構造の変化,あるいは物質の変化によるものとして説明できるようにもなってきている。筆者たちは,精神疾患の病態を分子レベルで解明し,治療に応用することを目標として,分子生物・遺伝学的なアプローチ法を用いて研究を行ってきたが,自身の研究を交えて,最近の精神疾患の遺伝子研究について述べてみたい。
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