Japanese
English
特集 肺疾患の検査の読みと実病変
胸部のMRI(磁気共鳴画像)
Magnetic Resonance Imaging in Chest Medicine
塩谷 壽美恵
1
Sumie Shioya
1
1東海大学内科
1Department of Internal Medicine, Tokai University School of Medicine
pp.3-8
発行日 1991年1月15日
Published Date 1991/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404910128
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はじめに
胸部のMRI(Magnetic Resonance Imaging)は,肺という臓器の特殊性や呼吸心拍のアーチファクトなど技術的に解決されていない問題が多く,呼吸器の分野ではまだ実用的な検査とはなり得ていないのが現状ではないだろうか.MRIで得られる画像はX線CTと一見似かよった像を提供することから,診断手段として両者の優劣を論ずることが常となっている,しかしX線画像とMR画像は異なる原理により成り立っているものであるから,単純に両者を比較して優劣を論ずるのは得策ではないと考える.MRIを用いた診断には,X線CTと比較し得る形態変化を診断する場合と,病変組織の緩和時間やスペクトルの変化を診断する場合とがある.後者の場合には必ずしも画像を必要とせずMRS(Magnetic Resonance Spectroscopy)と呼ばれる.ここでは胸部のMRIの現状と問題点,今後の進むべき方向を明らかにしていきたい.
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