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Current Opinion
急性呼吸促迫症候群(ARDS)のステロイド治療—late phaseを中心に
Corticosteroid Therapy for Late Phase Acute Respiratory Distress Syndrome
竹下 啓
1
,
鈴木 幸男
1
,
山口 佳寿博
2
Kei Takeshita
1
,
Yukio Suzuki
1
,
Kazuhiro Yamaguchi
2
1北里研究所病院呼吸器内科
2慶應義塾大学医学部内科
1Department of Respiratory Medicine, Kitasato Institute Hospital
2Department of Medicine, Keio University School of Medicine
pp.1045-1050
発行日 2002年10月15日
Published Date 2002/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902550
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急性呼吸促迫症候群(ARDS)の治療をめぐる最近1年間の話題
急性呼吸促迫症候群(ARDS)に対する治療法としては,これまでに薬物療法と支持療法の両面から多くの検討がなされてきた.前者の代表が糖質コルチコイド(以下ステロイド)をはじめとした抗炎症薬であり,後者の代表が人工呼吸管理である.
ARDSが初めて報告されてから30年以上が経過したが,残念なことにARDS患者の生命予後を改善することが大規模試験で証明された薬物はない.一方,呼吸管理の分野では,permissivehypercapniaの概念に象徴されるような少ない1回換気量による人工呼吸管理,あるいは肺保護戦略(LPA)によってARDSの予後が改善されることが示された1,2).ARDSの予後を改善する治療法が大規模試験で初めて証明されたことは画期的ではあるが,LPAは本質的には人工呼吸器による肺傷害(VILI)を予防するというものであり,ARDS自体に対する積極的治療方法ではない.
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