Japanese
English
Current Opinion
不整脈の診断と治療—QT延長症候群を中心に
Recent Progress in Long QT Syndrome
鎌倉 史郎
1
Shiro Kamakura
1
1国立循環器病センター心臓血管内科
1Division of Cardiology, Department of Internal Medicine, National Cardiovascular Center
pp.1051-1055
発行日 2002年10月15日
Published Date 2002/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902551
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QT延長症候群をめぐる最近1年間の話題
QT延長症候群(LQTS)は心電図上QT時間の延長とT波形態の異常を有し,非持続性多形性心室頻拍(Torsade de Pointes=TdP)や心室細動のために失神や突然死が生じる疾患である.LQTSは遺伝的な背景を有する先天性(家族性)のものと,薬剤や低K血症などに伴う後天性(二次性)のものとに分類できる.先天性のLQTSは1990年代になって,その原因が心筋のイオンチャネル遺伝子の変異に基づく“遺伝子病”であることが判明し,その類縁疾患としてのBrugada症候群,家族性心臓ブロック,新生児突然死症候群などの原因も解明されつつあるが,最近では後天性のLQTSもその成因を遺伝子変異や遺伝子多型に求める報告が相次いでいる.
本稿では最近1年間に明らかとなったLQTS関連疾患における遺伝子情報と,臨床病態ならびに発生機序などを中心に述べる.
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