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特集 心エコー図の最前線
3次元エコー図の実用性—心臓応用について
Three Dimensional Echocardiography:clinical utility and future prospect
太田 剛弘
1
Takahiro Ota
1
1府中病院循環器科
1Division of Cardiology, Fuchu Hospital
pp.795-804
発行日 2002年8月15日
Published Date 2002/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902516
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2次元断層エコー図は,超音波による心臓からの信号を電気的な動画像に変換しリアルタイムに画像化する.拍動する心臓の画像評価法として,日常臨床に不可欠となっている.さらにカラードプラ法,血流ドプラ法を用いれば心機能評価や血行動態の定量も可能である.近年は経静脈的コントラストエコー法が超音波造影法として臨床に登場し,循環器疾患の診断において心臓カテーテル法,核医学的方法に匹敵する検査法として評価されている.デジタル信号の処理技術の発達により画質が改善しているにもかかわらず,2次元断層法の大きな限界は心臓の平面像から3次元構造を推論することにある.
ダイナミックに動く心臓の内部を肉眼で見るように観察したいという要求から,3次元心エコー図法は20年以上にわたって研究され,初期には多断面の心内膜をトレースし,ワイヤーフレーム画像を再構築し左室容積などを求めていた1).
3次元画像の心臓超音波分野での実用性は未だ臨床の手段として確立していないが,研究の域をようやく抜け出そうとする幾つかの展開がある.
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