巻頭言
特異な症候群としての生活習慣病
三宅 良彦
1
1聖マリアンナ医科大学循環器内科
pp.759
発行日 2002年8月15日
Published Date 2002/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902510
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近年の医学・医療の進歩は目覚ましいが,この進歩の後を追うようにしてevidenceが蓄積されると,学会などが中心となって新しい診療ガイドラインが作成されることになる.
虚血性心疾患を例に挙げると,米国心臓協会(AHA)から1995年,「冠動脈疾患患者の心臓発作・突然死の予防」が発表された.これには禁煙,脂質・血圧コントロール,運動の推奨,閉経女性へのエストロゲン投与などについて木目細かく記載されている.さらにこれを補うかのように1999年には「多危険因子評価式を用いた心血管系リスクの評価」と題した,AHAと米国心臓病学会(ACC)の合同ステートメントが発表された.前者は虚血性心疾患患者の増悪や突然死に対する二次予防が目的であり,後者は健常者を対象とした一次予防が目的である.
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