Japanese
English
特集 加齢と肺
加齢と呼吸反射
Aging Effect on Respiratory Reflex
関沢 清久
1
Kiyohisa Sekizawa
1
1筑波大学臨床医学系呼吸器内科
1Department of Respiratory Medicine, University of Tsukuba School of Medicine
pp.669-672
発行日 2002年7月15日
Published Date 2002/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902498
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呼吸反射
呼吸器機能を維持するうえで重要な反射は咳反射と嚥下反射である.まず,両反射の発生機序を簡単に述べる.
咳受容体が刺激されると,そこから上行した刺激が延髄にある咳中枢を介して声帯や呼吸筋に伝えられる.すると,短い吸息後に声帯が閉じ横隔膜をはじめとする呼吸筋の収縮が起き,胸腔内圧が急上昇する.声帯の開大と同時に咳としての音が発生し,一過性に気流速度がフローボリューム曲線の速度を超える呼出が起こる.この高い呼出流量により気管など大きな気道内に乱流が生じ,気道壁に付着する分泌物が剥がれ気道外に喀出される.しかし,肺気腫症などでは呼吸筋の収縮効率が低下しているため効果的な咳ができない.
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