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綜説
糖尿病患者の冠動脈治療
Treatment of Coronary Artery Disease in Diabetic Patients
中川 晋
1
Susumu Nakagawa
1
1東京都済生会中央病院循環器科
1Cardiovascular Center, Tokyo Saiseikai Central Hospital
pp.497-507
発行日 2002年5月15日
Published Date 2002/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902472
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はじめに
糖尿病は冠動脈疾患のほか,脳卒中,閉塞性動脈硬化症,腎症,網膜症などの血管障害を容易に引き起こすため,“糖尿病は心血管系疾患である”との認識が確立されつつある1).わが国の糖尿病罹患人口は増加しており,糖尿病が690万人,糖尿病の疑いを含むと1,370万人に及ぶとされ,具体的対策が急務である2).いまや先進諸国の国民病ともいえる糖尿病については,近年,基礎・臨床の両側面から様々なエビデンスが構築されているが,糖尿病が注目されるもう一つの理由は,その固有の背景や病態にあり,それが治療選択や予後,治療反応性に密接に関連するからである.
本稿では,まず最初に糖尿病の冠動脈疾患の特徴を傭職し,次に病態別に臨床的特徴と治療法・成績について述べてみたい.
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