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Current Opinion
不整脈—新しい診断,治療法の動向
New Mapping System and Therapy for Arrhythmia
原田 智雄
1
Tomoo Harada
1
1聖マリンナ医科大学東横病院循環器内科
1St. Marianna University Toyoko Hospital, Cardiovascular Division
pp.1003-1007
発行日 2001年10月15日
Published Date 2001/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902365
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不整脈の診断・治療に関する最近1年間の話題
不整脈の診断万法は,1969年Scherlagら1),が初めてヒトにおいて心腔内へ挿入した電極カテーテルによるヒス束電位記録法の発展により飛躍的に進歩を遂げた.さらにプログラム電気刺激法を用いてリエントリーを機序とする頻脈性不整脈の誘発,停止が可能になった.これにより体表面心電図のみからでは理解できなかった不整脈診断も心房電位,ヒス束電位,心室電位の記録により興奮伝播の様子を客観的に診断することが可能になった.しかし,記録できるのは心腔内の数箇所の電位(右房電位,ヒス束電位,右心室電位,冠静脈洞電位などの記録が現在でも一般的)であり,これらから頻脈の興奮伝播を推測するのは容易ではない.最近新しい診断方法として,コンピュータを用いてリアルタイムに心臓内の興奮伝播過程を三次元的画像で表示することが可能になり,欧米ではその開発がめざましい.
不整脈治療においても,植込み型ペースメーカの小型化,普及により徐脈性不整脈の治療は容易になった一方で,新しい試みとして難治性心不全に対するペースメーカ治療が注目されている.頻脈性不整脈についても高周波通電法が確立され,カテーテルアブレーション(心筋焼灼術)により房室結節性リエントリー頻拍(AVNRT),WPW症候群に対しては90%以上の成功率が報告され,現在では外科的手術はほとんど行われていない.しかしながら一方で,診断,治療に難渋する症例も多い.
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