治療のポイント
新しい不整脈のくすり
高崎 浩
1
1三重県立大内科
pp.1080-1081
発行日 1968年9月10日
Published Date 1968/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202364
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われわれは日常の診療において,脈が不整である患者によく遭遇するが,これらの患者は自覚症を訴えることもあれば,またまったく無自覚であることもある.しかし,治療する立場から考えると,生理的と思われるものもあれば,重篤な心臓障害によると思われるものもあり不整脈治療には慎重でなければならない.
しかし,不整脈は1つの症候であるから,原因の明らかなものに対しては原因的に治療をし,原因不明のものに対しては対症的な治療を講ずることはいうまでもない.すなわち,期外収縮とか,発作性頻脈症とか,心房細動とか,心ブロックとかの時にみる不整脈は循環障害の原因ともなり,また心不全を招いて生命の危険をきたすこともあるので,治療の対象となることはいうまでもないが,単なる自覚症にとどまるものにしても治療の対象となりうるものがある.したがって,従来から種々の薬剤がそれぞれの場合に応じて用いられてきたのであるが,その中でもキニジンとかプロカインアマイドとかについては,かなり報告があるので,今回は2,3の新しい治療薬に限定して述べてみることにしよう.すなわち,ローウォルフィア・アルカロイドの1つであるAjmaline製剤(Ajmaline,Gilurytmal)とか,交感神経β受容体の興奮剤であるIsoproterenol(Protanol)およびAlotecとか,交感神経β受容体遮断剤であるPro-pranolol(Inderal)およびIproveratril(Vasolan)とかが今回述べる対象である.
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