Japanese
English
Bedside Teaching
左室拡張不全のベッドサイド診断
Diagnosis of Diastolic Heart Failure at the Bedside
岩本 浩
1
,
三浦 俊郎
1
,
岡村 誉之
2
,
松崎 益徳
2
Hiroshi Iwamoto
1
,
Takayuki Okamura
1
,
Toshiro Miura
2
,
Masunori Matsuzaki
2
1周東総合病院循環器内科
2山口大学医学部第二内科
1Department of Cardiology, Shuto General Hospital
2The Second Department of Internal Medicine, Yamaguchi University School of Medicine
pp.581-586
発行日 2001年6月15日
Published Date 2001/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902303
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はじめに
疾病構造の変化および予防医学の発達(リウマチ熱の予防,高血圧治療など)により,弁膜症による心機能障害が減少し,虚血性心疾患や拡張型心筋症などによる左室機能不全が増加してきている.高心拍出性心不全,僧帽弁腱索断裂などを除けば,通常心不全患者では心収縮能低下を伴うが,心不全患者のなかには左室収縮能が正常であるにもかかわらず,心不全症状を呈する症例が約1/3程度認められることが明らかとなった1).これらの症例では,左室拡張不全に基づく左室拡張末期圧および左心房圧の上昇による呼吸困難や息切れなどの肺うっ血症状を呈することが多い.
心室の拡張は収縮に付随した受動的な過程ではなく,能動的側面も持った心室ポンプ機能に重要な過程であると考えられている2).また,左室拡張機能は収縮機能よりも早期に障害されることが多く,左室拡張機能のベッドサイドでの適切な評価が疾患の早期発見に結びつく可能性があると考えられる2,3).
本稿においては,左室拡張機能について解説するとともに,拡張機能をベッドサイドで評価する方法について解説する.
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