巻頭言
心機能評価の新しい考え方
鄭 忠和
1
1鹿児島大学医学部第一内科
pp.513
発行日 2001年6月15日
Published Date 2001/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902294
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循環器診断・治療の最近の進歩は各種心疾患の生存率を著しく改善させている,その結果,心筋障害を有する心不全患者数は年々増加し,医療費に占める心不全治療費の割合は極めて大きい.心不全の心機能はダイナミックに変動するので,心機能検査を反復して心不全の経過を把握する必要がある.心機能を簡便にcost effectiveに評価することは,心不全の診断・治療だけでなく医療経済の面からも重要である.
心機能指標の必要条件は,まず測定が簡便で,非観血的であること,再現性があること,心拍数や血圧の影響を受けにくいこと,心室のgeomet—ric changeに左右されないこと,左室のみならず右室の重症度評価も可能であること,加療による効果判定と長期予後を推定できること,胎児から高齢者まで誰にでも応用できること,医療効率が良いことなどが含まれる.
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