心エコーによる心機能評価の考え方

構造奇形を有さない小児の心エコーによる心機能評価では，左室の大きさ（前負荷）と駆出率の評価がはじめの一歩である．左室の大きさは，左室拡張末期径の正常に対する割合で簡便に把握できる．駆出率は代表的で有用な収縮性指標だが，後負荷によって大きく変わる指標のため，血圧を意識し，平均血圧/1回拍出量で近似される血管エラスタンス（後負荷指標）とともに考えるとよい．心エコーによる心機能評価では，正しい心エコー計測を施行できることと，各エコー指標が心機能の何と関連した指標であるかを心室圧容積関係に基づいて理解することが大切である．