Japanese
English
Bedside Teaching
在宅医療とテレメディスン
Intensive Home Care and Telemedicine
阪井 裕一
1
,
鈴木 康之
1
,
宮坂 勝之
1
Hirokazu Sakai
1
,
Yasuyuki Suzuki
1
,
Katsuyuki Miyasaka
1
1国立小児病院麻酔集中治療科
1Department of Anesthesia and ICU, National Children's Hospital
pp.829-832
発行日 2000年8月15日
Published Date 2000/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902143
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はじめに
在宅医療といえば老人の介護というイメージでとらえられがちであるが,近年,小児医療の様々な分野でも在宅管理が盛んになってきている(表1).年余にわたる長期入院が成長,発達の途上にある小児期の患者に対して与える悪影響は,計り知れない.これらの患児が家庭,学校,地域社会に戻ることのメリットは,成人患者の場合に比べてはるかに大きいものがあろう.成長,発達を促すという点で,在宅医療は本来小児においてこそ,その意義が強調されるべきである.
国立小児病院では1983年から在宅人工呼吸に取り組んできたが,当初は患者,家族のみならず病院関係者にも,人工呼吸管理の場を患者宅へ移すことに対する不安があり,院内で呼吸管理を行っている麻酔集中治療科医が在宅医療に関わることについても物理的,時間的な制約があった.われわれは,これらの障壁を乗り越え質の高い在宅医療を実現するために,様々な形で情報通信技術の利用を図ってきた1,2).本稿では,在宅呼吸管理に対するわれわれの取り組みを紹介し,将来の可能性を探りたい.
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