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特集 心不全例の不整脈管理
心不全例の心房細動治療
Treatment of Atrial Fibrillation in the Setting of Congestive Heart Failure
井上 博
1
Hiroshi Inoue
1
1富山医科薬科大学第二内科
1Second Department of Internal Medicine, Faculty of Medicine, Toyama Medical and Pharmaceutical University
pp.125-131
発行日 2000年2月15日
Published Date 2000/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902038
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はじめに
心房細動は明らかな基礎心疾患のない例にもみられ,また加齢とともにその頻度は増加する.それ自身では直接生命に影響を及ぼすものではなく良性の不整脈と考えられるが,心房細動が心不全例に合併した場合には生命予後が悪化することが知られており1,2),両者の合併した症例では治療を行う際に数々の問題をはらんでいる(表1).
心房細動では左房内に生じた血栓に由来する塞栓症が予後に影響することは周知の事実である.ことに心不全の存在は心房細動の塞栓症発生の危険因子の一つであり,心不全例では塞栓症の予防は日常臨床の場で重要な課題である.しかし,本稿では塞栓症の予防については割愛し,心拍数のコントロール,洞調律化と再発の予防に焦点を絞り,現時点での治療のあり方についてまとめることとする.
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