Japanese
English
特集 心不全例の不整脈管理
心不全例の症候性心室性不整脈の治療
Treatment of Symptomatic Ventricular Arrhythmias in Patients with Heart Failure
加藤 貴雄
1
Takao Katoh
1
1日本医科大学第1内科
1First Department of Internal Medicine, Nippon Medical School
pp.133-140
発行日 2000年2月15日
Published Date 2000/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902039
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
心不全例における心室性不整脈の特徴
1.急性心不全の場合
心筋梗塞や心筋炎によって急激に心筋が傷害されると,心原性ショックに代表される急性左心不全を来す.この際の主要な病態は,もちろんポンプ失調による急性心不全症状であるが,CCUなどにおいて心筋梗塞急性期にしばしば経験するように,多くの例で心室頻拍や心室細動などの重症心室性不整脈を併発したり一過性の難治性心房細動に悩まされる1,2).これらの不整脈が患者の病態をより複雑かつ重篤にすることから,治療に難渋し予後を悪化させる大きな要因となる.
これら急性心不全時の不整脈は,もちろん急激な心筋病変に伴う刺激伝導系組織の壊死や変性を基質とするリエントリー性不整脈が主体と考えられるが,これに加えて心不全に伴う循環障害や虚血の影響,あるいは内因性カテコラミン,各種サイトカインなど体液性因子の変化などが複雑に絡み合って,心筋細胞が易興奮性となり,異常自動能やtriggered activityなどさまざまな機序による不整脈が発生することになる.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.