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特集 心不全例の不整脈管理
心不全の病態生理とSicilian Gambitに基づく新しい概念—Upstream approachとdownstream approach
A New Concept Based on the Sicilian Gambit to Explore the Mechanisms of Heart Failure:Upstream and downstream approach
栗田 康生
1
,
小川 聡
1
Yasuo Kurita
1
,
Satoshi Ogawa
1
1慶應義塾大学医学部呼吸循環器内科
1Cardiopulmonary Division, Department of Internal Medicine, Keio University School of Medicine
pp.117-123
発行日 2000年2月15日
Published Date 2000/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902037
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心不全と不整脈
心不全患者の死因の30〜70%は突然死といわれ,特に大多数の突然死は致死的心室性頻脈性不整脈によると考えられている1).一方,徐脈性不整脈の合併も稀でない.また,心不全では約20%に合併するといわれる心房細動などの上室性不整脈も低心機能状態では血行動態の悪化につながり,予後を悪化させる可能性がある2).このように心不全では多くの不整脈を合併しうるが,心不全例では抗不整脈薬の陰性変力作用や催不整脈作用により,不整脈の治療や予防がかえって心機能を悪化させるリスクもある.そのため,治療の目的が不整脈の抑制か予後の改善かを明らかにする必要がある.抗不整脈薬投与の適応はそれらのリスクを上回るほど重篤な場合でなければならない.心不全例でどう不整脈と向き合っていくべきか,Sicilian Gambitの理論を心不全例にあてはめてみたい.
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