Japanese
English
特集 非侵襲的陽圧換気法(NPPV)の汎用性をめぐって
慢性閉塞性肺疾患の急性増悪
Noninvasive Positive Pressure Ventilation for Acute Exacerbation of Chronic Obstructive Pulmonary Disease
大井 元晴
1
Motoharu Ohi
1
1大阪回生病院呼吸器内科
1Department of Respiratory Medicine, Osaka Kaisei Hospital
pp.27-32
発行日 2000年1月15日
Published Date 2000/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902024
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
COPD急性増悪時のNPPVの適応
慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pul—monary Disease;COPD)の急性増悪時の人工呼吸の適応は,症例の臨床経過,急性増悪の原因の可逆性,本人および患者家族の希望などにより主として臨床的に判断される.非侵襲的陽圧換気法(Noninvasive Positive Pressure Ventilation;NPPV)は,挿管せずに鼻マスクなどを使用して試みることができ,また食事,会話などが可能で,ターミナルケアとなる可能性もあるCOPDの呼吸管理に適している.しかし,気道確保しないが故に,誤嚥がある場合,喀痰喀出困難などがある場合,血圧低下,重篤な不整脈がある場合,消化管出血がある場合などは,従来の侵襲的陽圧人工呼吸(Invasive Positive Pressure Venti—lation;IPPV)の適応となる1).
近年では,急性増悪時に初めにNPPVを行うべきとされるが1),急性増悪時のNPPVを開始する目安は,COPDではPaCO270mmHg前後と考えられる.なお,欧米の急性増悪の定義は,原因として肺炎,肺水腫などを除外している.IPPVでは,気道確保を行うために人工呼吸の開始を可能な限り延ばさざるを得ないことが多く,あるいは人工呼吸しないなどの判断が必要であったが,NPPVでは試みることができ,会話も可能であるために,比較的早期に導入可能であり,本人の希望による中止も容易である.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.