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Bedside Teaching
ステロイド吸入療法—ステロイド薬の増量指針
Inhaled Steroid Therapy:Direction for increasing the dose of inhaled steroid
佐野 靖之
1
Yasuyuki Sano
1
1同愛記念病院アレルギー・呼吸器科
1Department of Allergy and Respiratory Medicine, Doai Memorial Hospital
pp.601-608
発行日 1999年6月15日
Published Date 1999/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901914
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はじめに
わが国における吸入ステロイド薬は,1978年Bechlomethazone dipropionata(BDP)が発売されてから約20年間の歴史を有するが,次第に繁用されるようになったのは喘息治療ガイドラインが世界各国で作成され1,2),わが国でも1993年に作成された3)その前後からであり,使用量が年々増加してきている.
喘息がアレルギー炎症を基盤とする気道粘膜の病変であるとの疾患概念が変化したことと,優れた抗炎症・抗アレルギー作用を有する吸入ステロイド剤を治療の柱にすえた喘息治療ガイドラインが広く喧伝されてより,その使用数は急速に増加しているが,いまだ一般臨床医家においてはその使用の仕方は不十分といえる.さらに,ステロイド薬の吸入療法においてはステロイドという名による副作用を懸念する患者や,遅効性のため約3〜4日経ないと効果を現さないゆえに効かない薬と思って止めてしまう患者,あるいは発作が一旦消失してしまうと喘息が治ったと誤った自己判断をして勝手に減量・中止をしてしまう患者が多数存在するなど様々な問題点を有する.
本稿では吸入ステロイド剤の使用の仕方,特にその増量の仕方について述べる.
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