Japanese
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特集 肺癌—診断と治療の最前線
肺癌の縮小手術・拡大手術
Limited Resection and Extended Resection for Lung Cancer
土屋 了介
1
Ryosuke Tsuchiya
1
1国立がんセンター中央病院外科
1Department of Surgery, National Cancer Center Hospital
pp.359-364
発行日 1999年4月15日
Published Date 1999/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901878
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はじめに
肺癌の根治的治療は現時点では胸腔内に限した肺癌に対する完全切除以外にはない.したがって,最近ではCT検診による早期肺癌の発見が注目されており,胸部X線写真では陰影が認められないCTのみで発見される極めて早期の肺癌に遭遇する機会も多くなってきた.このような症例は中枢気管支にできる早期扁平上皮癌が胸部X線写真では所見が認められず,気管支鏡でのみ確認できることからradiological occult cancerと呼ばれたように,末梢のradioiogical occult can-cerとも呼ぶべき症例である.したがって,このような症例に対しては従来の肺切除やワンパ節郭清の範囲を縮小できるのではないかと縮小手術が検討されている.
一方,早期発見の努力にもかかわらず,発見時すでに隣接臓器への浸潤やリンパ節転移,遠隔転移を持つている症例が半数以上を占める現状から,局所進行肺癌に対する拡大手術も検討が続けられている.
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