Topics Respiration & Circulation
心臓手術の新しい展開
四津 良平
1
1慶應義塾大学医学部外科
pp.629-630
発行日 1998年6月15日
Published Date 1998/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901718
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■最近の動向 1950年前後における心臓外科の創成期の頃と同じように,最近新しい発想による新しい心臓外科の手術手技が臨床で行われるようになってきた.今回ここに紹介する3論文は,いずれも今日心臓外科の注目の手術術式である.これらの全部が来世紀まで生きのびて心疾患の治療体系の中に確固たる位置を獲得するかの予測は困難である.
Minima11y invasive cardiac surgery(MICS)は,日本語で低侵襲・小切開心臓手術とか低侵襲心臓手術などと呼ばれている.MICSという用語には,冠動脈バイパス術における人工心肺を用いないMininial invasive direct coronary artery bypass(MIDCAB)と人工心肺の使用が避けられない弁膜症における胸骨正中切開を行わないMICSとが含まれている.筆者も43例の弁膜症のMICSを行い病院死,遠隔死ともになく全例術後NYHA class Iという良好な成績を得ており,このMICSは弁膜症に関しては,将来標準術式になると予測している.
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