Topics Respiration & Circulation
長寿と老化
関沢 清久
1
1東北大学医学部老人科
pp.627-628
発行日 1998年6月15日
Published Date 1998/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901717
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■最近の動向 長寿と老化は人間の永遠のテーマであり,古来よりおそらく大変な量の研究があると思われる.だれにとっても関心のある分野ゆえ,日常のちょっとしたことでも長生きする,逆に短命となると結論すると,たちまち重要な研究となる.最近では,抗コレステロール薬の開発に伴い,いくつかのグループによる大規模研究が行われ,80歳以上では血中コレステロールの低下が,それ以下では高コレステロール血症が生存曲線を変えると報告されている.極めて単純な生存曲線が多くの複雑な実験系を駆使した結果より多くの情報を与えてくれる.ここでは,歩行という単純な行動が高齢者の生命予後を変える,新しく発見された遺伝子が個体の老化を支配する,細胞内の分子時計が細胞の老化を規定するといった,内容は単純であるが寿命と老化に重要な情報を提示している3編の論文を紹介する.いずれもhigh quality Journalに掲載され,注目を集めているものである.
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