Japanese
English
特集 脳とホルモン
脳ホルモンの新しい展開
Recent advances in brain hormones.
矢内原 昇
1
Noboru YANAIHARA
1
1静岡県立大学薬学部
1School of Pharmaceutical Sciences, University of Shizuoka
pp.45-54
発行日 1989年2月10日
Published Date 1989/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431906261
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I.はじめに
ペプチドの単離法や構造決定法の進歩,一方では遺伝子構造解析法の発展により,新しい各種の脳ホルモンの存在が明らかにされるとともに,それらの前駆体の構造についても,数多くの情報がもたらされることになった。こうした化学構造に関する新しい情報は,脳ホルモンの研究展開を複雑にしているとはいえ,複雑な脳の機能を考え合わせるとむしろ当然ともいえる。また一方では,今後の脳ホルモンの研究を遂行するにあたり,新しい目標を定めることもできよう。
新しい脳ホルモンの発見は,ついでその産生細胞の同定,組織内分布の解析につながり,従来の知見と考え合わせ,その作用部位,機能の解析へと研究の発展がみられる。すでに30種以上のペプチドが脳で同定されているが,脳ホルモンに加え,新しい成長因子を含めた機能性蛋白の存在が知られるようになった。
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