印象記
第46回米国心臓病学会(ACC)
北風 政史
1
,
南野 哲男
1
1大阪大学医学部第一内科
pp.623
発行日 1997年6月15日
Published Date 1997/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901504
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第46回米国心臓病学会(American College of Car—diology,ACC)年次集会が1997年3月16〜19日の4日間,米国カリフォルニア州アナハイムにて開催された.本学会は,米国のみならず世界を代表する循環器病学における最新の進歩の発表の場である.これは,米国内からの応募演題が全体の43%でしかないことからも明らかである.ACCは,臨床研究の発表に重きをおいており,また「ランチョンセミナー」や「Meetthe Experts」という場で,循環器病学臨床での最新の診断・治療の考え方および技術的側面の啓蒙がさかんに行われている.
今回の多くの発表の中で,特に私どもが注目したのは,抗血小板薬の虚血性心疾患に対する効果に関する研究である.今回のACCにおいてplatelet・plateletinhibitorに関する基礎・臨床演題が83題も発表されており,抗血小板薬についての循環器病学者の認識が高まっていると考えられる.特に,血小板糖蛋白IIb/IIIaに対する抗体または阻害薬が不安定狭心症に対し,急性心筋梗塞への進展・死亡を抑制することが大規模試験で確認され,注目を集めていた(PRISM試験・PRISM-Plus試験).
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