Topics Respiration & Circulation
臨床応用されつつあるナトリウム利尿ペプチド
赤石 誠
1,2
1慶應義塾大学呼吸循環器内科
2慶應義塾大学中央臨床検査部心機能室
pp.553-554
発行日 1996年5月15日
Published Date 1996/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901261
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■最近の動向 心臓からホルモンが分泌されることが明らかになってから10年以上経過した.このホルモンであるANPとBNPは腎臓や血管床に作用して心臓の減負荷をもたらすとされている.既にANPは心不全の病態診断に,あるいは治療薬として臨床応用されるようになってきた.さらに血中BNPを容易に測定できるキットも市販され,ナトリウム利尿ペプチドは基礎的研究から,臨床の現場での応用にその舞台を広げつつある.これらのナトリウム利尿ペプチドを病態と関連づけて理解することは,患者を診る臨床医にとってもいよいよ必要となってきつつある.
ANPとBNPの分泌動態の相違を知ることは,敢えてANPとBNPの両者を測定する意義を理解できるであろう.心室から分泌されるBNPはANPに比べて,うっ血性心不全ではより大量に,急性心筋梗塞症ではより早く血中濃度が増加することが報告されている.
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