Japanese
English
特集 運動のLimiting factorをめぐって
Limiting factorとしての心機能
Cardiac function as a limiting factor of exercise tolerance
村山 正博
1
,
亀谷 学
1
Masahiro Murayama
1
,
Manabu Kamegai
1
1聖マリアンナ医大第2内科
1The Second Department of Internal Medicine, St Marianna University, School of Medicine
pp.27-32
発行日 1988年1月15日
Published Date 1988/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205177
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
運動のlimiting factorとしての心臓の位置づけ
運動のlimiting factorとはそれ以上運動をつづけられなくなる限界を規定する要因のことであるが,これには短時間に運動の強度を上げて行ってそれ以上運動の遂行が不可能となる,いいかえれば運動強度に対するlim—iting factorともう一つは長時間レースやランニングのように長時間つづけているとエネルギー源の消費によりそれ以上の運動続行が不可能となる。いいかえれば運動時間に対するlimiting factorと大きく2種類に分けられよう。臨床医学で問題となるのは専ら前者であり,また運動生理学でもどのレベルまで運動耐容能があるかということの方がどのくらい長時間,て耐え得るかという問題より普遍的で実際的であるので本稿では前者のシチューエーションに立って述べたいと思う。
運動強度に対するlimiting factorはいいかえれば全身各種臓器の機能のいずれかが,運動に対して最初に不全状態になり,そのためにそれ以上運動強度を上げれば運動遂行が不可能になるものと考えれば理解しやすいであろう。例えば下肢の筋関節系に障害があればそれが運動遂行のlimiting factorとなることは容易に理解できよう。同様に呼吸機能,末梢循環などもlimiting factorとしての位置づけをもっている。
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.