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Bedside Teaching
吸入ステロイド薬の使い方
How to Use Inhaled Steroids
中川 武正
1
Takemasa Nakagawa
1
1聖マリアンナ医科大学難病治療研究センター
1Institute of Medical Science St. Marianna University School of Medicine
pp.65-69
発行日 1996年1月15日
Published Date 1996/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901181
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はじめに
気管支喘息はアレルギー疾患の代表的存在であるが,近年積み重ねられた知見に基づき,現在ではその病態形成に気道における「アレルギー性炎症」が重要な役割を果たすと考えられている.アレルギー性炎症とは,IgE抗体を介するI型アレルギー反応に続発する急性・慢性の炎症であり,リンパ球・好酸球・好塩基球などの炎症細胞が発現に関与する1,2).また,非アレルギー性のいわゆる感染型喘息においても,肥満細胞活性化以降はほぼ同様の機序により症状発現に至ると考えられる.
このように気管支喘息が気道の慢性炎症性疾患という概念に変わってきたのに応じて,治療方針もまた従来の気管支拡張薬中心から,この形の炎症をいかにコントロールするかに重点を置く方向に変化してきた.
本稿ではこのような観点から,1993年に作成され1995年に改訂されたわが国の「アレルギー疾患治療ガイドライン」3)をもとに,慢性喘息の管理における吸入ステロイド薬の使い方の実際について解説を試みる.
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