Japanese
English
特集 自律神経と心肺疾患—最新の知見
気管支喘息における自律神経異常
Abnormal Function of Autonomic Nervous Systems in Bronchial Asthma
塩谷 隆信
1
,
加賀谷 学
1
Takanobu Shioya
1
,
Manabu Kagaya
1
1秋田大学医学部第二内科
1Department of Internal Medicine II, Akita University School of Medicine
pp.47-55
発行日 1996年1月15日
Published Date 1996/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901179
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はじめに
肺の自律神経支配は交感神経系と副交感神経系との2つよりなり,両者は気管支平滑筋に対し陰陽的に相反する効果を及ぼし気管支のトーヌスを調節している(図1)1,2).近年,第3の自律神経である非アドレナリン非コリン作動性(non-adre—nergic non-cholinergic:NANC)神経の肺における存在とその作用が明らかにされ,喘息における役割が注目されてきた3〜5).
本稿では,従来より喘息の原因とされてきた自律神経の異常説を振り返り,この数年の新しい知見を加えながら,喘息の病態生理に及ぼす自律神経の関与について今後の展望を述べてみたい.
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