Japanese
English
特集 自律神経と心肺疾患—最新の知見
急性呼吸不全の病態—修飾因子としての自律神経
Pathophysiologic Effects of Acute Respiratory Failure:A role of automatic nervous system
小池 加保児
1
,
植田 信策
1
Kaoru Koike
1
,
Shinsaku Ueda
1
1宮城県立がんセンター呼吸器科
1Miyagi Cancer Center, Pulmonary Division
pp.35-39
発行日 1996年1月15日
Published Date 1996/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901177
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はじめに
肺における自律神経には3種類の伝導路がある(図1).自律神経求心路,副交感神経遠心路,交感神経遠心路である.これらは,迷走神経,交感神経幹から肺神経叢などを経由し,気管・気管支壁,肺胞壁,肺脈管壁などに分布する.さらに,呼吸を調節する化学受容体は,大動脈,頸動脈にもあり,舌咽神経なども関与する.また,鼻腔からの三叉神経の関与も知られている.
このように,呼吸器系は複雑な自律神経支配を受けており,さまざまな反応形態をとることとなる.さらに,急性呼吸不全では,呼吸器系のみならず,循環器系にも異常を来すのが通常である.中枢レベルでは,呼吸の異常による信号が循環中枢を刺激1)することも知られており,呼吸・循環双方が自律神経支配下になる.
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