Japanese
English
TOPICS 生化学・分子生物学
シグナル情報伝達を担うRNA修飾由来液性因子
Modified RNA nucleosides as novel signaling molecules
小川 亜希子
1
,
魏 范研
1
Akiko OGAWA
1
,
Fan-Yan WEI
1
1東北大学加齢医学研究所モドミクス医学分野
pp.232-233
発行日 2022年1月15日
Published Date 2022/1/15
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28003232
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RNAは転写後さまざまな化学修飾を受け,その種類は現在同定されるだけで150種類にものぼる1).これらのRNA修飾はRNAの局在や安定性,翻訳など転写後の遺伝子発現に不可欠であり,修飾の異常が糖尿病やミトコンドリア病などの疾患発症原因となる2).このように,高次生命を調節する重要な分子機構として細胞内RNA修飾の機能解析が進んでいるが,その一方でRNAが分解・代謝後どのような運命をたどるかについての報告は少ない.RNA分解で生じる未修飾のヌクレオシドは,一般的に核酸合成へ再利用されるサルベージ経路や尿酸,β-アミノイソ酪酸/βアラニンへの分解経路をたどる.一方,RNA分解で生じる化学修飾を含むヌクレオシドは基本的には脱修飾されずに “修飾ヌクレオシド” として,細胞外である血清や尿中へ排出される.しかし,その生理活性意義については未解明であった.
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