Japanese
English
綜説
インスリン抵抗性とMicrovascular Disease(細小血管障害)
Insulin Resistance and Microvascular Disease
横山 淳一
1
,
磯貝 行秀
1
Junichi Yokoyama
1
,
Yukihide Isogai
1
1東京慈恵会医科大学第3内科
1Department of Interna Medicine III, The Jikei University, School of Medicine
pp.532-541
発行日 1995年6月15日
Published Date 1995/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901064
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はじめに
インスリンによる細胞内へのグルコースの取り込みが減少するという現象,インスリン抵抗性は糖尿病(特にインスリン非依存型)のみならず,肥満や本態性高血圧症といった血管障害の危険因子となる病態でもよく観察されることが明らかにされ注目されている.一方,インスリン作用不足に基づく代謝異常によって細小血管領域に糖尿病に特徴的な病変が出現する.細小血管障害に基づく網膜症は生後に起こる失明の最大の原因であり,また,その障害で起こる腎症は新規に人工透析に導入される腎不全の第一位の原因疾患となっている.
ここでは細小血管障害の成り立ちについて,われわれが研究してきた微小循環および血液レオロジーの立場を中心に論じ,更に,インスリン抵抗性との関連について触れてみたい.
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