巻頭言
肺野小型肺癌の確診は必要か
阿部 庄作
1
1札幌医科大学医学部第三内科
pp.531
発行日 1995年6月15日
Published Date 1995/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901063
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肺癌の発生率,死亡率の増加が叫ばれて久しい.これまで,医学的にも社会的にも手をこまねいていたわけでなく,多くの精力的な対策が払われて来たが,その増加傾向はとどまることなく続いている.しかし,自然の成り行きか,対策の成果か,最近の肺癌は扁平上皮癌より腺癌,肺門型より肺野型が多くなり,女性の肺癌も多くみられるようになってきている.いままで問題としてきた男性の扁平上皮癌より女性の腺癌が問題となってきている.肺癌の様相は変化して来ている.
近年の肺癌発生の疫学的変貌に対応して,より効率よく肺野の小さな腫瘤病変を発見するためにCRやCTを用いた自動検出システムが研究開発されてきている.また,ヘリカルCTを用いた集団検診も行われようとしており,通常の胸部X線写真で検出しがたかった腫瘤径が1cm程度の肺野病変を検出し得るようになってきている.
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