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特集 循環器薬評価に関する大規模Prospective Study
大規模臨床試験の必要性とその解析法
Need for Large Sample Size in Clinical Trial and Statistical Analysis of Data from the Trials
宮原 英夫
1
Hideo Miyahara
1
1北里大学医学部医用情報学
1Department of Medical Informatics, School of Medicine, Kitasato University
pp.1025-1032
発行日 1993年11月15日
Published Date 1993/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900757
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はじめに
心筋梗塞の病因の多くが冠動脈の血栓によるという考えが定着するにつれて,心筋梗塞の発作後早期に血栓溶解剤を投与して血栓の溶解を図ったり,冠動脈にカテーテルを挿入して血管内径の拡大を試みたりする治療法が登場したが,初めのうちはこれらが長い目でみた死亡率の低下につながっているかどうか疑問をもつ者も少なくなかった.
1970年代後半から1980年代にかけて,これらの治療手段が実際に有効であることを示す臨床試験が次々と報告されてきたが,有効性を十分に実証できなかった試験もあり,疾患の重大性からみてより確実な結論が望まれた.また,これらの結論を広く一般の臨床の場で生かすためには,心筋梗塞後のどの時期に,どの薬のどのくらいの量を,どのような方法で,どのくらいの期間,どのような患者に対して投与すればどのような利益が得られるかをさらに詳しく整理する必要性が認められた.
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