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特集 外科治療か内科治療か—境界領域をめぐって
原発性肺癌
原発性肺癌—外科側から
Therapy for Lung Cancer in View of Surgery
土屋 了介
1
Ryosuke Tsuchiya
1
1国立がんセンター中央病院外科
1Department of Surgery, National Cancer Center Hospital
pp.825-828
発行日 1993年9月15日
Published Date 1993/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900726
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肺癌を根治的に治療できる手段は,現時点では小細胞癌の一部を除いては外科的な切除以外にはないといえる.しかしながら,その外科的切除も肺癌が胸腔内局所にとどまっていなければ根治的1に治療することはできない.したがって,肺外科的切除の適応は肺癌が胸腔内局所に限局していて,しかもその病変がすべて完全切除できる症例ということになる.放射線照射によって治癒する症例もないわけではないが,例外的なものと考えてよいであろう.したがって,現時点では完全切除が可能な症例は外科的切除の適応であり,完全切除がのぞめない症例が内科的治療の適応といってもよいであろう.
しかしながら,完全切除が可能かどうか,胸腔内局所の病変が完全切除可能であっても,実は既に遠隔転移が存在するのに術前にその遠隔転移の診断ができない症例が多く存在するのである.したがって,肺癌の手術適応を考えるときに問題点として,1)臨床病期の正診率,2)臨床病期による切除成績,があげられる.これらについて概観し,現時点での予後を考慮した手術適応の基準を考えてみよう.
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