病気のはなし
原発性肺癌
萩原 弘一
1
1埼玉医科大学呼吸器内科
pp.324-327
発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100389
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サマリー
肺に発生する悪性腫瘍である原発性肺癌には,腺癌,扁平上皮癌,大細胞癌,小細胞癌があり,大きく非小細胞癌,小細胞癌に分けられる.扁平上皮癌,小細胞癌は喫煙と密接な関連がある.非小細胞癌は外科手術で完全に切除できた場合には治癒が望めるが,それ以外の場合は化学療法,放射線療法を組み合わせても治療成績は悪く,治癒は望み難い.小細胞癌では,限局型の場合,化学療法,放射線療法の同時施行によりある程度の治癒が望めるようになってきた.非小細胞癌の一部に上皮増殖因子受容体(epidermal growth factor receptor,EGFR)遺伝子異常が原因となっていると考えられる癌があることがわかり,そのような癌にはイレッサ(R)が著効することが明らかとなりつつある.
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