Japanese
English
特集 PSV(Pressure Support Ventilation)
PSV—臨床的な問題点と使い方
Clinical Advantage and Limitation of Pressure Support Ventilation
時岡 宏明
1
,
平川 方久
1
Hiroaki Tokioka
1
,
Masahisa Hirakawa
1
1岡山大学医学部附属病院集中治療部
1Department of Intensive Care Medicine, Okayama University Hospital
pp.865-870
発行日 1992年9月15日
Published Date 1992/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900535
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プレッシャーサポート(pressure support ventila-tion,PSV)は,自発呼吸を補助する換気モードの1つである.PSVの換気方法は,患者の吸気努力をあらかじめ設定した一定の陽圧(PSVレベル)で補助し,吸気から呼気のタイミングは患者自身が決定する1).そのため,吸気流速と吸気時間,さらに呼気時間,呼吸数,1回換気量,分時換気量は,自発呼吸とPSVレベルの相互作用によって決定される.PSVは,陽圧で換気を補助する点においてpressure-cycledのIPPBと類似しているが,吸気時間を患者自身が決定し換気量が吸気努力に応じて変化する点がIPPBと根本的に異なる.
PSVは,CPAP(continuous positive airway pres-sure)あるいはIMV(intermittent mandatory ventila-tion)で自発呼吸を行う場合,人工呼吸器のdemand valveの反応の遅れと気管内チューブあるいは加湿器の気道抵抗により,患者に余分に負荷される呼吸仕事量を代償させるために開発された.しかし,PSVの臨床応用は,CPAP時の呼吸仕事量の軽減のみならず,単独の補助呼吸モードとして,さらにはウイニングの手段としても用いられている.その有用性はきわめて広く,岡山大学ICUにおいては,呼吸抑制のない成人の人工呼吸は原則としてPSVを用いている.
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