Japanese
English
特集 PSV(Pressure Support Ventilation)
PSVの理論
Theory of Pressure Support Ventilation
山田 芳嗣
1
Yoshitsugu Yamada
1
1東京大学医学部付属病院手術部
1Department of Surgical Operation Center, Faculty of Medicine, The University of Tokyo
pp.845-851
発行日 1992年9月15日
Published Date 1992/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900532
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PSV(pressure support ventilation)は,近年呼吸管理において盛んに用いられるようになった換気モードであるが,患者の吸気に合わせて,気道内に一定の陽圧を加えて換気を補助する方法である1).その作動上の特徴は,(1)呼吸器は,患者が吸気を行っている間,一定圧を維持する,(2)吸気流速・1回換気量は患者が決定する,(3)吸気の開始・終了のタイミングも患者が決定する.したがって,PSVを行うときには,サポート圧のレベルを設定するだけであり,従来の換気モードでは基本的な設定条件であった換気数・1回換気量・吸気流速・流速波形・吸気時間などを設定する必要はない.反面,こういった人工換気の基本量が患者側の要因に大きく依存して決定されるということは,PSVの作動の理解を従来の換気モードよりもずっと複雑にしている.PSVを理解するためには,実現された換気が呼吸器と患者の相互作用の結果であるととらえることが第一歩である.患者はさらに,換気の対象となる肺・胸郭系と換気を行う側の呼吸調節系・呼吸筋とに分けられる(図1).
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