Japanese
English
綜説
心血管系におけるアドレナリン受容体情報伝達機構—正常から病的状態まで
Alterations in Myocardial Adrenoceptor Transduction Systems in Health and Disease
飛世 克之
1
,
小野寺 壮吉
1
Katsuyuki Tobise
1
,
Sokichi Onodera
1
1旭川医科大学第1内科
1The First Department of Internal Medicine, Asahikawa Medical College
pp.311-319
発行日 1991年4月15日
Published Date 1991/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900251
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
生体の細胞は多くの受容体(receptor)をもち,それによって細胞外からの情報を受け取り,それに応答して個体の恒常性を維持する.細胞への情報は神経伝達物質,ホルモン,細胞増殖分化因子などのアゴニストによって伝えられる.自律神経系(交感神経と副交感神経系)は,カテコールアミンやアセチルコリン(神経伝達物質)を介して,細胞の受容体に情報を送る生体調節系の一つである.受容体にアゴニストが結合すると,その情報は種々の様式で細胞内へ伝えられる.交感神経系にはαとβアドレナリン受容体があり,それぞれα1,α2とβ1,β2の4つのサブタイプに大別されている.
本稿では,薬理学的,生化学的および分子生物学的手法によって得られた,主に病的状態における心筋βアドレナリン受容体/アデニル酸シクラーゼ系の知見を中心に,心血管系におけるアドレナリン受容体全般の情報伝達系の構造とその役割についても概説する.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.