Japanese
English
装置と方法
左室短軸内径による左室容量近似の精度—僧帽弁口および大動脈に装着した電磁血流計との比較
Estimation of left ventricular volume determined by minor axis diameter:Compared with left ventricular stroke volurne determined by electromagnetic flowmeter at aortic root and at mitral valvularring
池川 徹
1
,
赤石 誠
1
,
横塚 仁
1
,
西川 泰弘
1
,
後藤 信哉
1
,
半田 俊之介
1
,
中村 芳郎
1
Toru Ikegawa
1
,
Makoto Akaishi
1
,
Hitoshi Yokozuka
1
,
Yasuhiro Nishikawa
1
,
Shinya Gotoh
1
,
Shunnosuke Handa
1
,
Yoshiro Nakamura
1
1慶応義塾大学医学部呼吸循環器内科
1Cardiopulmonary Division, Department of Medicine, School of Medicine, Keio University
pp.49-52
発行日 1990年1月15日
Published Date 1990/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900081
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左室の容量の指標として左室短軸内径の3乗1)が臨床的,実験的にしばしば用いられてきた。左室長軸径を計測することなしに短軸のみで左室容量を近似する理由の一つとして,左室長軸の短縮の程度が短軸に比較して少ないという事実がある2)。しかし一方では左室形状が収縮にともない刻々と変化する2〜4)ことによる誤差が伴う。さらに局所心筋の虚血が生じた場合には左室形状の変化はより強くなる5)ため,より大きな誤差を伴う可能性がある。これらの問題のため,一心拍内の連続的な左室容量変化を左室短軸内径のみを用いてどの程度表現しうるかという点についての詳細な検討は十分行われているとはいえない。
我々は駆出期,血液流入期それぞれにおいて左室短軸内径の3乗値が左室容量を良好に反映するか否かを検討するために①大動脈に装着した電磁流量計と左室短軸内径から別々に求めた左室駆出時の左室容量変化を比較し,また,②僧帽弁口に装着した電磁流量計と左室短軸内径から別々に求めた左室への血液流入時の左室容量変化を比較した。また,局所心筋虚血によってこれらの関係がどの程度影響を受けるかについても検討した。
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