Japanese
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特集 呼吸・循環器治療薬の狙いと効果の現実
カルシウム拮抗薬多彩な薬理効果と慢性疾患への有効性
Calcium Antagonist:Acute effects and long-term usefulness
赤石 誠
1
Makoto Akaishi
1
1慶應義塾大学医学部中央臨床検査部心機能室呼吸循環器内科
1Department of Internal Medicine, School of Medicine, Keio University
pp.787-794
発行日 1996年8月15日
Published Date 1996/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900003
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はじめに
1995年8月末にNIHがnifedipineカプセルについて注意を促す声明を発表した.そして,Cir—culationの1995年9月1日号にFurbergの論文“nifedipine”1,1b)が掲載された.さらにPastyらも2)カルシウム拮抗薬による降圧療法が心筋梗塞の危険を高めると発表した.これらの発表は大きな反響を呼び,多くの議論を引き起こした.Cir—culationの1996年4月1日号にFurbergの論文に対する投書が多数掲載され,その反響の大きさを物語っている.わが国でも1995年10月16日付の読売新聞にもそのことが特集され,一般の関心も高いことがうかがえる.このようにカルシウム拮抗薬,特にジヒドロピリジン系のカルシウム拮抗薬は,今新たな視点から見直されつつあるようである.虚血性心疾患の治療薬がどうして悪者にされるのか.カルシウム拮抗薬の本当の位置づけはどこにあるのかを考えたい.
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