Japanese
English
綜説
超急性期脳梗塞に対する血管内治療
Endovascular Therapy in Acute Ischemic Stroke
作田 健一
1
,
井口 保之
2
,
村山 雄一
1
Kenichi Sakuta
1
,
Yasuyuki Iguchi
2
,
Yuichi Murayama
1
1東京慈恵会医科大学附属病院脳神経外科
2東京慈恵会医科大学附属病院神経内科
1Department of Neurosurgery, The Jikei University School of Medicine
2Department of Neurology, The Jikei University School of Medicine
pp.609-615
発行日 2016年6月15日
Published Date 2016/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205980
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はじめに
2005年に日本で組織プラスミノーゲンアクチベータ(rt-PA)が承認され,超急性期脳梗塞に対する積極的治療の道が開かれて以降,脳卒中診療は目覚ましい発展を遂げている.特に閉塞血管が再開通することで症状が劇的に改善するような症例を経験するようになった.一方で,脳主幹動脈(頭蓋内動脈の第2分枝まで)の閉塞を伴う脳梗塞ではrt-PA投与で再開通を得られない場合もあり,このような症例に血管内治療(EVT;endovascular therapy)が積極的に実施されつつある.2010年に機械的血栓除去デバイスであるMerciリトリーバー®が日本で認可され,これを皮切りに2011年にPenumbraシステム®が,2014年にステント型リトリーバー(Solitaire FR®,Trevo®)が使用可能となり,脳主幹動脈閉塞を伴う脳梗塞の治療成績は明らかに向上している.さらに2012年にrt-PAの適応が4時間30分に延長され,超急性期脳梗塞に対する血栓溶解療法の適応が拡大された.10年の間に劇的に変化を遂げた日本の脳卒中診療,なかでも超急性期脳梗塞に対するEVTに関する知見の変遷を紹介する.
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