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はじめに
NPPV(非侵襲的陽圧換気療法)ガイドライン(第1版)が発刊され約8年が過ぎ,改訂第2版が2015年2月に発刊された1,2).1998年在宅マスク人工呼吸の保険適用以来,非侵襲的陽圧(noninvasive positive pressure ventilation;NPPV)療法の在宅使用患者は急激に増加した.当時,世界的にも急性期(一部慢性期を含む)患者に対するNPPVガイドラインは存在していたが3,4),慢性期を含めた広範囲のガイドラインは存在していなかった.また,在宅人工呼吸の健康保険適用が「対象となる患者は,病状が安定し,在宅での人工呼吸療法を行うことが適当と医師が認めたもの(ただし睡眠時無呼吸は除く)」となっており,具体的な基準が示されていなかったので,本ガイドラインは日本における本療法の理解と普及に一定の役割を担っていたと考えられる.
第1版の発刊以来,NPPVの適用範囲は拡大され,adaptive servo ventilation(ASV)をはじめとする新しい機器も登場し,使用される領域も拡大し,当初はあまり行われなかった鎮静剤投与下でのNPPV使用もかなりの頻度で行われるようになった.新興感染症とNPPV使用の問題,挿管人工呼吸,NPPVと人工呼吸関連肺炎,さらにまた,大災害時の在宅呼吸医療の問題点も新たな重要臨床課題として明らかになった.このように第1版発刊以来のこの8年間の変化に対応し,新規の事象と問題点に対応する第2版の必要性が高まったので,NPPVガイドライン改訂第2版を発刊するに至った.また,第1版発刊から第2版作成までの期間に,ガイドライン作成はMindsに準拠することが一般的になり,本ガイドラインもその方向で取り組んだ5).
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