Japanese
English
症例
分娩と関連し破裂したと考えられる腹部大動脈瘤の1例
A Case of Ruptured Aneurysm of Abdominal Aorta through Delivery
天野 景明
1
,
岡 厚
1
,
山崎 巌
2
Kageaki AMANO
1
,
Atsushi OKA
1
,
Iwao YAMAZAKI
2
1東京大学木本外科教室
2厚生会本郷診療所
1Depart. Surgery, Tokyo University. School of Medicine
2Koseikai Hongo Shinryojo
pp.67-70
発行日 1962年1月20日
Published Date 1962/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202851
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大動脈瘤破裂に関しては,古くより種々の報告が行われているが,適切な治療方法が確立される以前には,ただ傍観して,死を待つのみであつた.しかし近年血管外科の著しい進歩により,1951年Dubost氏が始めて大動脈瘤の切除,同種保存血管置換に成功して以来,大動脈瘤のみならず,その破裂例をも手術することが可能となり,多数の成功例が報告されている.最近著者等は分娩と関連して破裂したと考えられる腹部大動脈瘤の1例を経験した.開腹手術前診断出来なかつたため,不幸にも救命しえなかつたが,分娩直後の大動脈瘤破裂は文献上殆んどその報告がみられないので,ここに症例を報告し諸賢の批判を仰ぎたいと思う.
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