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綜説
高齢者に対する肺炎球菌感染症予防戦略—23価肺炎球菌多糖体ワクチンと13価肺炎球菌結合型ワクチン
Strategy for Pneumococcal Vaccines in the Elderly
南宮 湖
1
,
長谷川 直樹
2
Ho Namkoong
1
,
Naoki Hasegawa
2
1慶應義塾大学医学部呼吸器内科
2慶應義塾大学医学部感染制御センター
1Division of Pulmonary Medicine, Department of Medicine, Keio University School of Medicine
2Center of Infectious Diseases and Infection Control, Keio University School of Medicine
pp.754-761
発行日 2015年8月15日
Published Date 2015/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205762
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はじめに
—肺炎球菌ワクチンにおける臨床現場での混乱—
23価肺炎球菌多糖体ワクチン(PPV23)に加えて,2014年に,本邦でも13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)が65歳以上の高齢者に適応拡大となった.この2種類の肺炎球菌ワクチンの登場およびPPV23の定期接種化に伴い,①ワクチンの使い分け,②再接種の問題,③公費助成の問題などを中心に,少なからず臨床現場が混乱している.われわれは,ともすると,この2種類の肺炎球菌ワクチンの使い分けに関する簡単なフローチャートを求めてしまうが,目の前の患者さんのニーズに合った予防戦略に正面から向かうためには,肺炎球菌ワクチンについて正しく理解することが王道である.そこで,本稿では肺炎球菌ワクチンに関する基本的な考え方から最新の知見まで解説する.
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