症例
13価肺炎球菌結合型ワクチン接種後に肺炎球菌性髄膜炎に罹患した乳児例
芦原 康介
1,2
,
立石 裕一
2
,
谷 博雄
2,3
,
小林 良行
2
,
石川 暢恒
2
1JA尾道総合病院小児科
2広島大学病院小児科
3県立広島病院小児科
キーワード:
肺炎球菌性髄膜炎
,
莢膜血清型22F
,
肺炎球菌ワクチン
,
多剤耐性肺炎球菌
Keyword:
肺炎球菌性髄膜炎
,
莢膜血清型22F
,
肺炎球菌ワクチン
,
多剤耐性肺炎球菌
pp.561-567
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002167
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肺炎球菌は上気道常在のグラム陽性球菌の1つで,一般的な市中感染症の原因として重要であり,髄膜炎や菌血症をきたすこともある.このような無菌的部位から肺炎球菌が検出される感染症は侵襲性肺炎球菌感染症(invasive pneumococcal disease:IPD)と定義され,重篤な後遺症を残す場合や致命的な経過をたどる場合もある.肺炎球菌ワクチンはIPD発症頻度の高い莢膜血清型に対して開発され,現在わが国では13価の肺炎球菌結合型ワクチン(13-valent pneumococcal conjugate vaccine:PCV13)が小児定期接種ワクチンとして使用されている.しかし,ワクチンに含有されない莢膜型の肺炎球菌によるIPDの報告が散見される.今回,PCV13を3回接種後にPCV13非含有型(22F)による肺炎球菌性髄膜炎に罹患した9か月児の症例を経験したので報告する.
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