トピックス
13価肺炎球菌ワクチン
中野 貴司
1
1川崎医科大学附属川崎病院小児科
pp.644-647
発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543104315
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小児と肺炎球菌感染症
肺炎球菌Streptococcus pneumoniaeは,気道粘膜の常在菌でもあり,特に小児では保菌率が高い.保育園に入園した乳児の調査では,集団生活を始めて数カ月もすると,ほとんどの児が肺炎球菌を気道に保菌するようになる1).
肺炎球菌は,中耳炎や副鼻腔炎など気道粘膜感染症の主要な起因菌であるが,何らかのきっかけで体内深部にまで侵入し,重篤な疾患を発症する.これらは,侵襲性肺炎球菌感染症(invasive pneumococcal disease:IPD)と総称される.IPDとは,脳脊髄液や血液など,元来は無菌である部位から肺炎球菌が分離される重症感染症であり,肺炎球菌による髄膜炎,菌血症,血液培養陽性の肺炎などが含まれる.
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