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特集 心不全チーム医療の理論と実践
心不全患者における緩和ケア
Palliative care for people living with heart failure
坂下 明大
1
Akihiro SAKASHITA
1
1兵庫県立姫路循環器病センター緩和ケア内科
キーワード:
心不全
,
緩和ケア
,
緩和ケアニーズ
,
Universal Health Coverage(UHC)
Keyword:
心不全
,
緩和ケア
,
緩和ケアニーズ
,
Universal Health Coverage(UHC)
pp.853-857
発行日 2022年2月19日
Published Date 2022/2/19
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28008853
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わが国では,緩和ケアはがん診療を中心に発展してきたが,世界的には緩和ケアはUniversal Health Coverage(UHC)のひとつとして位置づけられ,心不全を含む “serious illness” が対象となってきている.心不全患者に緩和ケアを必要な時期に適切に提供するためには,緩和ケアニーズを把握するためのきっかけを見逃さないことが重要である.包括的な評価をしたうえでの苦痛への対処と,アドバンス・ケア・プランニングを含めた意思決定支援が心不全緩和ケアの肝となる.とくに,末期心不全患者の症状緩和の方法論や介入のタイミングについては依然として確立されたものはないが,心不全患者の予後と病状を勘案したうえで,患者の価値観に沿った,患者にとっての最善を追求していくことが緩和医療には求められる.今後,緩和医療が心不全診療において標準的な医療として統合されていくことが望まれる.
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