Japanese
English
解説
LDLレセプター
LDL-receptor
山本 章
1
Akira Yamamoto
1
1国立循環器病センター研究所病因部
1Department of Etiology, National Cardiovascular Center Research Institute
pp.833-840
発行日 1988年8月15日
Published Date 1988/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205301
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I.LDLとLDLレセプター
LDLレセプターは血漿中の低密度リポ蛋白(lowdensity lipoprotein=LDL)を細胞内に取り込むための,細胞表面膜上の小器官である。血漿中には人きさと組成を異にする幾種類かのリポ蛋白粒子が存在するが,そのうちLDLはコレステロール含量が最も高い,直径約200AÅの比較的均質な粒子であり,超遠心では密度1.019〜1.063の間に分画される。
LDLは肝臓で合成されて血中に分泌されるトリグリセライドに富むリポ蛋白,超低密度リポ蛋白(very lowdensity lipoprotein=VLDL)が,主に脂肪組織や筋肉の毛細血管内壁に存在するリポ蛋白リパーゼの作用を受けて粒子の内容をなすトリグリセライドの大部分を失った後,多少の修飾を受けてできた最終段階のリポ蛋白粒子である。VLDLの粒子の表面にはアポBのほか,アポEやC-グループ(C-I,II,III)のアポリポ蛋白がついているが,リポ蛋白リパーゼなどによる代謝をうける間に分子量の小さい,水に溶けやすい蛋白質のほとんどすべてを失って,LDL粒子となるとその表面の蛋白質はほぼアポB (B-largeまたはB-100と呼ばれる分子量55万位の大きいアポリポ蛋白質)だけとなっている。
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