Japanese
English
解説
心臓のリンパ流
Cardiac lymph
平 明
1
,
上原 景光
1
Akira Taira
1
,
Kagemitsu Uehara
1
1鹿児島大学医学部第二外科
1The Second Department of Surgery, Faculty of Medicine, Kagoshima University
pp.847-854
発行日 1987年8月15日
Published Date 1987/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205103
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はじめに
A-C bypass (Aorto-Coronary Bypass)やPTCA(Percutaneous Transluminal Angioplasty)の普及は近年の循環器病学進歩の中で特筆すべきである。これらの手技に関連の病態は次第に解明されてきたが,冠循環に深くかかわり合う心臓リンパについてはいまだ不明な点が多い。Miller1)はリンパの語源はラテン語のclearwaterであるがリンパに関するわれわれの知識はnotclear以外の何ものでもないと述べ心臓リンパ研究の意義を強調している。われわれは従来心臓移植の実験を行ってきたがその過程でしばしば観察される移植心臓の浮腫を端緒として心臓リンパの研究に着手した。その中で日常的な心臓外科の発想に基づいたテーマを取り上げ,心機能,心筋保護,虚血などを追究してきた。本稿では現在までに明らかにされている心臓リンパの知見の概略を紹介し,次にわれわれの実験成績にもふれ,心臓リンパ研究の現況を眺めてみたい。
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