Japanese
English
解説
溺水の病態生理
The pathophysiology of drown and near-drown
小栗 顕二
1
Kenji Ogli
1
1香川医科大学麻酔・救急医学講座
1Department of Anesthesiology and Emergency Medicine, Kagawa Medical School
pp.837-846
発行日 1987年8月15日
Published Date 1987/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205102
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今はまさに水の恋しい季節の最中であるが新聞を広げると,例年のごとく,痛ましい水難の記事を散見する。一昨年の6月から8月の水のシーズン3カ月間に1,702名の犠牲者があったそうである。米国や英国の統計では16歳以下の子供の水死事故はざっと40%を占めるそうであるが,日本での中学生以下の水死者はこの時期に316名であったそうで1),彼我にかなりの年齢分布の差がある。屋敷内に池やプールを持っている家庭が日本では少ないせいであろうか。しかし,死者と溺水患者の発生数に大きな差があるのかも知れない。我々の施設に運び込まれる患者では幼小児が圧倒的に多い。
とにかく,そういう季節であるから,溺水の病態生理について考えるのが時宜にかなっているであろうというわけである。
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